
旧約聖書を断片的に知っている子どもは、日本でも多いようです。たとえば、ノアの箱船とか、バベルの塔とか、エデンの園、巨人を倒したダビデの話など……。けれども、旧約聖書全体となると、新約聖書の4倍はあり、日本語訳では 2000ページを越えてしまいます。しかも内容は、歴史物語、詩、ことわざ、教訓物語などさまざまで、1000年以上にわたって書き継がれたものとなると、読み通して理解するのもたいへんです。
この『旧約聖書物語』は、歴史的な状況を簡単に要約しながら、信仰の書としての聖書が意図するメッセージの中心を、しっかり捕らえて魅力的です。
「世界と人類の歴史として聖書を読んでほしいです。それはこのように始まり、いつか、神のご計画どおり完成するでしょう。そのなかで、一人ひとりの人間は、とても短い時間、意味もなくこの世に現れて消え去るだけのものでは、けっしてありません。永遠の完成に向けて、ユニークな“わたしの場”を与えられているのだ」という著者の思いが 伝わってきます。
この一冊を読んで、旧約聖書に親しんでみませんか。
小学校中級以上向けです。
全国学校図書館協議会選定図書・日本図書館協会選定図書
初版発行:2002年9月1日
7刷発行:2012年2月29日
9刷発行:2016年